中小企業の新卒採用成功事例5選 | 成果獲得のポイントや戦略の立て方も紹介

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「求人広告を出しても応募が来ない」「面接後の辞退が続いている」

新卒の採用活動において、こんな悩みを抱えている人事担当者様は少なくありません。思うような成果をあげられない場合、自社だけで悩み続けるのではなく、他社の成功事例を見るのも現状を打破する一つの有効な手段です。

自社と似たような課題を抱えていた企業が、どのようなアプローチで課題を解決し、どのような効果を得られたかを知ることは、今後の戦略立案において非常に有益な情報です。

本記事では、実際に課題を乗り越えた中小企業の採用成功事例を5つ紹介するとともに、成果獲得に必要なポイントや、具体的な採用戦略の立て方までを網羅的に解説します。現在、採用活動における課題解決に取り組んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

ジョブキタ就活で採用に成功した事例5選

まずは、北海道の企業採用において多くの実績を持つ「ジョブキタ就活」を活用し、新卒採用に成功した5つの事例をご紹介します。

「ジョブキタ就活」とは、北海道アルバイト情報社が運営する、「北海道で働きたい就活生」と「北海道に根ざした企業」との出会いの場を提供する就活サイトです。北海道に拠点を置く企業の採用情報のみを掲載しているため、地元志向の強い学生とのマッチングに強みを持っています。

ここでは、業種や地域、抱えていた課題が異なる5社の事例から、採用成功のヒントを探ります。

初めての新卒採用で20名以上の学生が求人に応募|株式会社エバーコンサル

株式会社エバーコンサルは、橋梁点検という専門性の高い事業を展開している企業です。従来は中途採用を実施しており、一定の成果も出ていました。しかし、会社の未来を見据えた際、「長期的に働ける若い人材の獲得は自社にとってプラスになる」という判断から、初めての新卒採用に踏み切りました。

【抱えていた課題・懸念点】

初めての試みには不安がつきものでした。特に、事業内容が「橋梁点検」というニッチな領域であるため、「学生から興味を持ってもらえないのではないか?」という懸念がありました。

また、この仕事は独り立ちまでに5年ほどの期間を要します。入社後しばらくは先輩の補佐業務が中心となるため、学生が仕事のやりがいを感じられるまでに時間がかかり、早期離職につながるのではないかという点も不安要素でした。

【実施した施策と成果】

北海道アルバイト情報社の営業担当からは、求人の訴求ポイントを工夫する提案をしました。具体的には、専門的な技術面を前面に出すのではなく、仕事内容を「撮影・資料整理」という学生にもイメージしやすい要素に絞ってアピールしたのです。

また、職場見学の際に実際の仕事内容を体験する機会を企画したことも奏功しました。求人原稿には、育休取得推進や勤怠管理システムの導入といった働きやすさの面も記載し、仕事内容以外の部分でも学生の興味を惹く工夫を行いました。

その結果、20名以上の学生から興味を持ってもらうことに成功し、最終的に2名の学生に内定を出しました。内定者からは「仕事体験を通じて、入社後に働く姿を具体的にイメージできた」という声があがっており、ミスマッチのない採用につながっています。

選考開始からわずか2カ月で3名の採用に成功|株式会社エリアネット

不動産事業を展開する株式会社エリアネットでは、従来、業界経験者を優先しつつ、未経験者も積極的に採用する中途採用を行っていました。新卒採用については、「教育に手間がかかる」というイメージがあり敬遠していましたが、知人から「新卒人材は辞めにくい」「会社のカラーに馴染みやすい」というメリットを聞き、挑戦を決意しました。

【抱えていた課題・懸念点】

新卒採用を開始したのは11月。一般的な就活スケジュールからするとかなり遅いスタートであり、当初は「年度内に採用するのは難しいだろう」と考えていました。また、不動産業界に対する学生の志望度や適性についても未知数でした。

【実施した施策と成果】

実際に求人広告を出し、合同説明会に参加してみると、予想以上の反響がありました。時期が遅くても多くの学生が就職活動を継続しており、さらに「第二新卒」という層の選択肢があることも新たな発見でした。

選考においては、不動産業への事前の興味・関心はあえて重視せず、「会社に馴染んでから興味を持ってもらえば良い」と割り切りました。最終的には、直接話した際の印象や人当たりの良さを重視し、わずか2カ月という短期間で3名の学生に内定を出しました。

採用担当者は、「業界のことをイチから教える手間は、学生も業界未経験者の中途採用もあまり変わらない。むしろ学生のほうが向上心が高く、飲み込みが早い」と実感しており、新卒採用への食わず嫌いを払拭する結果となりました。

コロナ後初の新卒採用で学生5名を獲得|HTM株式会社

ニセコエリアでリゾートホテルやレストランなど、幅広い事業を展開するHTM株式会社。コロナ禍が落ち着きを見せ始めた2023年、新卒採用を再開しようとしましたが、当時の採用担当者は入社歴が浅く、採用経験もありませんでした。

【抱えていた課題・懸念点】

最大の問題は、社内に新卒採用のノウハウが継承されていなかったことです。「以前の新卒採用をどのように進めていたか、記録も記憶も曖昧」という状況からのスタートでした。また、ニセコという勤務地に対して、札幌などの都市部の学生をどう呼び込むかも課題でした。

【実施した施策と成果】

北海道アルバイト情報社の営業担当者から、「北海道の学生ならではの就活の動き」や「求人広告での効果的な表現方法」について詳細をお伝えしました。特に、遠方の学生に対する懸念を払拭するため、「社員寮の存在」を強くアピールすべきだという提案は大きなヒントになりました。

求人を公開すると早い段階で応募が集まり、最終的に5名の学生に内定を出しました。しかし、内定を出して終わりではありません。「内定後も学生とのコミュニケーションを継続したほうが良い」というアドバイスを受け、オンラインで内定者を集めて定期的に近況報告をする場を設けました。これにより学生の不安を取り除き、内定辞退者の発生を防ぐことに成功しました。

全学部に対象を広げて2名の学生を採用|NPO法人 ひなた

NPO法人ひなたは、障がいを持つ方への居宅介護や訪問介護などを行う福祉事業所です。新卒採用には数年前から取り組んでいましたが、2023年度卒の採用から方針を大きく転換しました。

【抱えていた課題・懸念点】

福祉業界は慢性的な人材不足であり、専門職の募集は長期戦になることが常でした。しかし、同法人が求めていたのは、単なる労働力ではなく「私たちの考えや支援の内容をしっかりと理解してくれる人」でした。そこで、能力よりも人柄を重視する採用を行いたいと考えていました。

【実施した施策と成果】

今回初めて、「学部学科を問わず募集する」という決断をしました。福祉系の学部以外にも門戸を広げたのです。

また、求人においては「働きやすさ」を徹底的にアピールしました。同法人では、利用者への高品質な支援を提供するためには、スタッフの精神的な余裕が不可欠だと考えています。そのため、しっかり休める仕組みを整えており、本人が望めば「週4日勤務」も可能としています。

この柔軟な働き方と、人柄重視の姿勢が学生に響き、2名の学生を採用することができました。専門資格の有無にとらわれず、法人の理念に共感してくれる人材と出会えた成功事例です。

人口わずか1300人の地域で新卒採用に成功|天塩川工業株式会社

天塩川工業株式会社は、林業や造林を営む企業です。拠点を置く北海道中川町は人口わずか1,300人、その40%が65歳以上という過疎地域にあります。従来は中途採用を実施していましたが、事業内容の理解促進や、地域への定着に課題を感じていました。

【抱えていた課題・懸念点】

「林業」という仕事、そして「中川町」という場所。この2つのハードルを越えて、若者に興味を持ってもらうことは非常に困難に思えました。事業内容を深く理解してもらうまでにも時間がかかっていました。

【実施した施策と成果】

ジョブキタ就活の利用に加え、採用サイト(Webサイト)の制作を行いました。求人原稿と採用サイトには、企業側が伝えたい想いや仕事の魅力を余すことなく盛り込みました。

求人公開後、4名の学生から応募があり、最終的に美術系の大学に通う学生に内定を出しました。決め手となったのは、「自然豊かな中川町で、創作活動と仕事を両立したい」という学生のニーズと、企業の環境がマッチしたことでした。

内定後も、辞退を防ぐために毎月定期的に作業現場の様子をメールで発信。さらに、交通費を全額負担して職場や町を案内するツアーを実施し、生活環境への安心感を与えました。前年の成功を受け、その翌年も継続して新卒採用を実施しています。


採用活動で成果をあげるポイント

成功事例に共通しているのは、自社の状況を正しく理解し、適切な手を打っている点です。ここでは、採用活動で成果をあげるために押さえておくべき具体的なポイントを6つ解説します。

従来の採用活動を見直す

「毎年同じ時期に、同じ媒体で、同じ内容の募集を出している」にも関わらず成果が出ていない場合、その手法が現在の自社の体制や市場環境に合っていない可能性があります。

  • 新卒採用への転換:中長期的に働ける人材を育てたい、組織の若返りを図りたい、企業文化を一から浸透させたい場合は、新卒採用への切り替えを検討しましょう。
  • 中途採用への転換:即戦力が必要、教育コストをかけられない、特定の専門スキルが必要な場合は、中途採用に注力すべきです。

数年間成果が出ていないのであれば、思い切って採用ターゲットや手法(新卒か中途か)を変えるのも一つの戦略です。

複数の採用手法を組み合わせる

採用手法は多様化しており、一つの手法に頼り切りではリスクがあります。ターゲットとの接点を増やすため、複数の手法を組み合わせる「メディアミックス」の考え方が重要です。

採用手法

概要・メリット

求人広告

最も一般的な手法。多くの求職者に情報を届けられる。媒体選びが重要。

就職・転職イベント

対面で求職者の熱量を感じられる。会社の雰囲気を直接伝えやすい。

人材紹介

成功報酬型が多いため、無駄なコストを抑えつつ、要件に合う人材を紹介してもらえる。

ダイレクトリクルーティング

企業から求職者に直接スカウトを送る手法。攻めの採用が可能。

SNS

拡散力が高く、潜在層(転職を具体的に考えていない層)にもアプローチできる。

採用サイト

情報量の制限がなく、自社の魅力を深く伝えられる。ブランディングに有効。

社員と交流できる機会を作る

求職者が応募をためらう理由の一つに「入社後の人間関係や雰囲気への不安」があります。これを解消するために、選考とは別に社員と交流できる機会を設けましょう。

  • 座談会・カジュアル面談:選考要素を排除し、リラックスして話せる場を作ります。
  • 職場見学:実際のオフィスや現場を見せることで、働くイメージを具体化させます。

「履歴書不要」「選考には関係ありません」と明記することで参加のハードルを下げ、より多くの求職者と接点を持つことが重要です。この交流がきっかけで、志望度が急激に高まるケースも多々あります。

採用サイトを制作する

求人広告だけでは、掲載できる写真や文字数に限りがあります。求職者はより詳しい情報を求めて、企業名で検索を行います。その際、採用サイト(または採用情報が充実したコーポレートサイト)がないと、情報の受け皿がなくなり、応募の機会損失につながります。

採用サイトがあれば、社員インタビューや1日の流れ、オフィスの動画など、リアルな情報を制限なく発信できます。これにより、求職者の入社意欲を高めると同時に、「思っていた会社と違う」という入社後のミスマッチも防ぐことができます。

SNSで情報を発信する

特に新卒や若手層をターゲットにする場合、SNSでの情報発信は無視できません。現代の学生や若手社会人は、検索エンジン以上にSNSで企業情報を収集しています。

  • 拡散力:有益な情報や共感を呼ぶ投稿はシェアされ、広告費をかけずに多くの人に認知されます。
  • 潜在層へのアプローチ:転職活動を始めていない層にも、日常的に自社の存在をアピールできます。
  • 低コスト:アカウント開設は無料のものが多く、手軽に始められます。

ただし、不適切な投稿は「炎上」のリスクがあるため、投稿内容や表現、運用ルールには細心の注意を払う必要があります。

面接官トレーニングを実施する

せっかく応募が来ても、面接官の対応が悪ければすべてが台無しになります。面接官は「企業を映す鏡」です。

  • 評価基準の統一:面接官によって評価がブレないよう、基準を明確にします。
  • 印象管理:圧迫面接や不適切な質問は、SNS等ですぐに拡散され、企業イメージを損ないます。
  • トレーニング:外部研修、ロールプレイング、オンライン講座などを活用し、面接スキルを向上させましょう。

採用の成功事例を見るメリット

他社の事例を知ることは、単なる読み物以上の価値があります。

1. 具体的な解決策の発見

「応募が来ない」「求める人物像と違う」「辞退が多い」など、企業が抱える課題はさまざまですが、同じ悩みを持っている企業は必ず存在します。成功事例を見ることで、その企業がどのようなプロセスを経て課題を解決したのかを具体的に把握でき、自社の施策にそのまま生かすことができます。

2. コスト削減と効率化

他社がどのような採用手法を使い、どのような媒体で成功したかを知ることは、「無駄なトライ&エラー」を減らすことにつながります。自社に合った手法や情報発信のスタイルを最短距離で見つけることで、採用コストの削減と効率的な採用活動が実現します。

採用戦略の立案に必要な5つのステップ

成功事例を参考にしつつ、自社独自の採用戦略を立てるための手順を5つのステップで解説します。

1. 採用活動の課題を可視化する

まずは、過去の採用活動を振り返りましょう。「母集団が集まらなかったのか」「面接での歩留まりが悪かったのか」「内定辞退が多かったのか」。現状の課題を洗い出し、可視化します。

複数の課題がある場合は優先順位をつけ、最も影響度の高い課題から解決策(実効策)を検討します。

2. 採用ターゲットとペルソナを決める

「誰に来てほしいか」を明確にします。ペルソナを詳細に設定することで、求人原稿のメッセージが鋭くなり、面接での評価基準もブレなくなります。

  • 採用ターゲット:「営業経験3年以上」「大卒以上」など、応募条件に該当する広い定義。
  • 採用ペルソナ:ターゲットをさらに具体化した、架空の人物像。「趣味はアウトドア」「今の仕事の悩みは〇〇」「将来の夢は〇〇」など、パーソナルな部分まで設定します。

3. 自社の強みを明確にする

「なぜ、求職者は自社を選ぶべきなのか」を言語化します。技術力、シェア率、社風、福利厚生など、自社の強みを整理しましょう。

これには、3C分析(Customer:市場・顧客、Competitor:競合、Company:自社)やSWOT分析(Strengths:強み、Weaknesses:弱み、Opportunities:機会、Threats:脅威)などのフレームワークを使うと、客観的かつ効率的に分析できます。

4. 採用手法を決定する

ターゲットと自社の強みが明確になったら、それに最適な「届け方(採用手法)」を選びます。

予算や緊急度に合わせて、求人広告、人材紹介、SNS、リファラル採用などを比較検討しましょう。前述の通り、複数の手法を組み合わせるとより効果的です。

5. 採用スケジュールとKPIを決める

最後に、具体的な行動計画を立てます。求人原稿の作成、公開、書類選考、面接など、「いつまでに・誰が・何を」するかを決めます。この際、KPI(重要業績評価指標)を設定することをおすすめします。

「応募数:〇件」「面接実施数:〇件」「採用コスト:〇円以内」など、具体的な数値目標を立てることで、進捗状況を客観的に把握し、途中で軌道修正がしやすくなります。

まとめ:採用の成功事例をみて自社の課題解決に生かそう

採用活動に行き詰まったときは、自社だけで悩まず、似たような課題を乗り越えた企業の事例を参考にすることが近道です。他社の成功事例から、ターゲットの設定方法、アピールポイントの変え方、新たなツールの活用法など、多くのヒントが得られるはずです。

課題の内容に応じて、使用する採用手法や求人サイトの見直しを行いましょう。特に、求職者に自社を深く理解してもらうためには、採用サイトでの情報発信が不可欠な時代になっています。

「採用サイトを作りたいがノウハウがない」「もっと効率的に採用活動を行いたい」とお考えの人事担当者様には、「ハピキタ」の活用がおすすめです。

ハピキタを利用すれば、自社採用サイトの立ち上げから、複数の求人サイトへの一括掲載・管理までをスムーズに進めることができます。写真撮影や魅力的な文章作成などのクリエイティブワークもプロに任せることができるため、採用担当者の負担を減らしながら、効果的な採用活動を実現できます。

成功事例と戦略的なアプローチ、そして便利なツールを組み合わせ、自社に最適な人材の獲得を目指しましょう。

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Writer

ヒトキタ編集部 友坂 智奈


Profile

法人営業や編集職を経て、広報を担当。現在は、SNSや自社サイトの運用をはじめ、イベントやメルマガを活用した販促・営業支援企画も手掛けている。