「主婦は深夜に働かない」は本当?深夜派主婦の本音を聞いてみよう。

主婦は深夜に働かない?

「主婦の求職者は深夜(早朝)勤務を敬遠するもの」。育児や家事を担うことが多い主婦には、このようなイメージがあります。しかし、求職者のライフスタイルは千差万別。編集部が働く主婦に取材してみると、深夜勤務をいとわない、いやむしろ、深夜だから良いという意見を聞くことができました。
彼女たちの声に耳を傾け、働きやすい環境を整えることで、新たな属性を雇用するチャンスを広げるヒントが見えてくるかもしれません。

主婦層が希望する勤務時間帯は昼間が人気

主婦層はどのような勤務帯での仕事を探しているのか見てみましょう。

1位…9:00〜16:00(16.8%)
2位…10:00〜16:00(11.7%)
3位…10:00〜15:00(8.9%)

23位…00:30〜08:00(0.7%)

2025年4月 しゅふきた調べ

人気の時間帯は10:00〜16:00に集中しています。家族を送り出し家事を済ませてから、子どもが帰宅するまでの時間を利用したい、という主婦の心理が伺えます。その一方で、深夜〜早朝の間に仕事を探している主婦も少数ですがいるのが実態です。

主婦が深夜勤務する、その理由とは

深夜〜早朝の仕事に従事する3名の主婦に、その理由とメリットを聞いてみました。

コンビニ勤務(週2〜3日 22:00〜翌6:00)Yさんの場合

子供が起きている時間はできるだけ一緒に過ごしたいと思い、パート探しも子供が寝た後に行っていました。偶然目についたコンビニの求人に「主婦が深夜に活躍中」とあり、自分にもできるかもと応募しました。私が働いている間は主人が子供を見てくれています。深夜は時給が高いので効率良く稼げるし、参観日など子供の行事とは絶対に重ならないのが良いですね。

食品製造工場勤務(週3〜5日 20:00〜翌2:30)Sさんの場合

「深夜で働くと時給が良いよ!」と友達に誘われたのが、この仕事を選んだきっかけです。子供の面倒は主人が見てくれています。深夜と言っても2時過ぎまでですし、仕事中はずっと動き回るので、眠くなったりすることはありません。帰ってからも多少寝られます。日中は家事をしたり、友だちと出かけたり、自由に使える時間が持てるので、この働き方が気に入っています。

新聞販売店勤務(週6日 3:30〜5:00)Oさんの場合

最初は夕刊の配達をしていて、その後、歩合給の高い朝刊に切り替えました。朝は2時半に起きて、出勤は3時半。家に帰るのは5時ごろです。それから主人のお弁当を作り、9時までには家事をすべて終わらせています。日中は自分の趣味など好きなことに時間を使っていますね。夜は早めに就寝するので、睡眠時間を前倒しにしてる感じ?(笑)。人通りの少ない早朝の街は爽やかで、配達中に四季の変化を感じられるのも楽しみです。

主婦は避けるものと考えがちな深夜(早朝)勤務ですが、「自分の時間や子供との時間を確保したい」「高めの時給が魅力」など、あえてこの時間帯を選ぶ方が一定数いるようです。また、子どもの月齢や夫の勤務体制などでも、深夜に時間をつくりやすい主婦も少なくないようです。

主婦が深夜も働きやすくするためには

主婦層を深夜の戦力として活躍してもらうためには、どのような配慮や工夫があるのでしょうか。ここでは5つのポイントをご紹介します。

1.勤務時間に関する工夫
深夜帯の中でも、22時~翌1時など、比較的短い時間で働けるシフトを設けることで、「長時間勤務は体力的に厳しい」「朝まで働くことはできない」というニーズに応えられます。

2.業務内容・環境に関する工夫
深夜帯は接客が少ない(またはない)、比較的静かな環境で集中して作業できるといったメリットがあります。
具体例:
データ入力や軽作業など座ってできる仕事
清掃業務など、短時間で集中してこなせる業務
コールセンター(深夜は電話件数が少ない傾向がある)

3.安全・安心への配慮
深夜帯でも必ず2人以上の複数名でシフトに入れる体制を整え、万が一の事態や不安に対応できるようにします。また、車通勤ができるよう十分な駐車スペースを確保したり、送迎体制を整えることも大切です。

4.健康管理に関する工夫
休憩時間をしっかり確保し、可能であれば仮眠ができる静かなスペースを設けます。短時間の仮眠(15分程度)は集中力の回復に効果的です。

5.体調管理への配慮
深夜勤務は生活リズムが乱れがちになるため、体調に関する相談窓口を設ける、健康診断の受診を推奨するなど、健康をサポートする体制を整えます。

これらの工夫によって、「深夜手当でしっかり稼ぎたい」という金銭的なメリットに加え、「短時間で無理なく働ける」「安全に働ける」という安心感を提供できれば、主婦の方にとって深夜帯の勤務がより魅力的な選択肢となるでしょう。

まとめ:主婦も働きやすい工夫を行い人材採用のチャンスを広げよう

ただでさえ人材の確保のハードルが高い深夜帯、「主婦は応募しないだろう」と初めからターゲットを狭めてしまうのはもったいないことです。訴求ターゲットを広く考え、主婦も働きやすいような工夫を行い求人広告内でアピールすることで、人材採用のチャンスが広がるかも知れません。

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山本アイコン

Writer

ヒトキタ編集部 山本祥子


Profile

コンテンツメディア部にてユーザー向け施策の企画・サイト運営に従事。フリーペーパー編集などを手掛け、現在は広報・販促・営業支援・デザインを行う。