新卒採用コストの抑制が逆効果に? 今すぐはじめられる「採用投資」をおさらい

「採用コストは、できるだけ抑えたい」。
その判断が北海道の中小企業において、かえって採用を遠ざけているとしたらーー?
今、学生の価値観や市場構造は激変しています。コスト抑制を続ければ、どれほど素敵な職場であっても、良い人材との出会いは年々遠のいていくかもしれません。
「採用投資」とは、決して多額の費用を投じて派手な広告を展開すべき、ということではありません。それでは、どのような取り組みが必要なのでしょうか?
北海道の新卒採用市場のリアルと、今すぐ実践できる「採用投資」の考え方を紐解きます。
目次
- 1. 数字から見えてくる、北海道の新卒採用の「いま」
(1)売り手市場と中小企業の人手不足
(2)北海道特有のハードル:道内大卒者の「約4割」が道外へ
(3)学生の情報収集手段の変化 -
2. コストを抑えたつもりが、思わぬ負担になってしまう理由
新卒採用が思うようにいかなかったとき、起こりやすい「3つの影響」 -
3. 中小企業にとっての「採用投資」とは?
(1)「知ってもらう」ための面のアプローチ
(2)「選ばれる」ための環境づくりと魅力の言語化
(3)「辞退を防ぐ」あたたかな選考フォロー
1. 数字から見えてくる、北海道の新卒採用の「いま」
「応募が来ない」と感じる背景には、企業単位の努力不足ではなく、採用市場全体の大きな構造変化があります。押さえておくべきポイントは以下の3点です。

(1)売り手市場と中小企業の人手不足
大学生の就職率は約98%と高水準が続く一方、中小企業の人手不足感は過去最高レベルです。大企業による初任給引き上げや早期選考も進み、中小企業は接点づくりで苦戦しています。
(2)北海道特有のハードル:道内大卒者の「約4割」が道外へ
道内の大学を卒業する学生の約4割が首都圏などの道外企業へ就職しています。オンライン選考などを通じた早期の魅力付けがないと、最初から選択肢に入らないリスクが高まっています。
(3)学生の情報収集手段の変化
スマホ普及に伴い、スカウト型サービスや各種SNSなど就特手段が多岐にわたっています。求人を出して待つ従来のやり方だけでは、膨大な情報の中に埋もれてしまいます。
2. コストを抑えたつもりが、思わぬ負担になってしまう理由

このような市場構造の中で「新卒採用には、できるだけ余計なコストをかけたくない」
「どれくらい効果があるかわからないものに、大きな予算はつけづらい」
会社を守り育てる経営者として、費用を慎重に見極めるのはとても自然で、大切なご判断です。
ただ、採用活動にかける費用を抑えることを最優先にした結果、思うような成果が得られず、かえって後から時間や別のコストがかさんでしまうケースも少なくありません。
新卒採用が思うようにいかなかったとき、起こりやすい「3つの影響」
(1)若手を育てるリズムに「1年間の空白」ができる
中途採用であれば年間を通じて必要なタイミングで動けますが、新卒採用には「毎年4月入社」という明確な節目があります。もし採用がうまくいかなかった場合、次の新卒を迎えるのは早くても翌年の春になります。中途採用で人数の補填ができたとしても、「ゼロから自社の価値観を共有し、将来のコア人材となる若手を定期的に育てていく」という長期的な育成サイクルには、少し足踏みが生じてしまいます。年の近い先輩がいる安心感は新卒者にとっては大きなプラス要素ですから、そういった機会を損失してしまうことになります。
(2)急な中途採用への切り替えで、かえって費用がかさむことも
「新卒が採れなかった分、中途採用で急ぎカバーしよう」と動く場合、採用の手法によっては想定以上の費用が発生することがあります。例えばエージェントを利用した場合、求職者の年収の30〜35%前後が一般的な相場です。「新卒採用の初期費用を数十万円抑えるつもりが、中途採用への切り替えで結果的に出費が大きくなってしまった」という話題は、実は珍しくありません。
(3)採用活動の終盤、焦りから生まれるミスマッチ
秋以降など採用活動の後半になってくると、「なんとか枠を埋めなければ」という焦りから、本来求める人物像とのすり合わせが不十分なまま内定を出してしまうことがあります。厚生労働省のデータでも、新規大卒就職者の約3割が入社後3年以内に離職している現実があり、お互いの納得感が浅いまま入社に至ってしまうと、受け入れる現場の負担も大きくなってしまいます。
目先の出費を抑えることと、計画通りに良い人材を迎えること。長い目で見たときにどちらが会社にとって安心につながるかを、一度立ち止まって考えてみる価値があります。
3. 中小企業にとっての「採用投資」とは?

「投資」と聞くと、「大金を使って派手な広告を出すこと」をイメージされるかもしれませんが、決してそうではありません。
中小企業における採用投資の本質は、学生さんに「知ってもらい、選んでもらい、安心して入社してもらうための土台づくり」にあります。
(1)「知ってもらう」ための面のアプローチ
求人サイトに載せてエントリーを待つだけでなく、対面でじっくり熱量を伝えられる合同説明会に出てみたり。あるいは、職場見学だけではなく長期のインターンシップを開催するなど、「自社の存在に気づいてもらうためのきっかけ作り」に少しだけ時間と予算を配分してみることです。
(2)「選ばれる」ための環境づくりと魅力の言語化
初任給の引き上げが各地で話題になっていますが、現代の学生さんが見ているのはお給料の額面だけではありません。
「どんな先輩がいて、どんな風に教えてもらえるのか」「残業や休日など、無理なく働ける環境があるか」といった、働く上での安心感や職場の雰囲気をとても大切にしています。自社ならではの温かさや育成への想いを、学生さんに伝わる言葉にして発信していくことも、採用投資のひとつです。
(3)「辞退を防ぐ」あたたかな選考フォロー
選考の連絡が遅かったり、面接の日程調整に時間がかかってしまうと、学生さんは「自分はあまり歓迎されていないのかな」と不安になり、他社へ心が傾いてしまいます。
合否の連絡をできるだけ早く届けたり、面接で丁寧に話を聞いたり、内定後に先輩社員との座談会を設けたり。「この会社は自分を大切に見てくれている」と感じてもらえる丁寧なコミュニケーションこそが、最終的な内定承諾へとつながっていきます。
まとめ:新卒採用は「会社の未来をつくる前向きな投資」
かつてのように求人票を出して「待っているだけ」では、出会いが生まれにくくなっているのは事実です。
中途採用で即戦力を補強するのも頼もしい選択肢ですが、新卒採用には「自社の文化を一緒に創り、次の10年・20年を支えてくれる仲間を育てる」という、かけがえのない喜びと価値があります。
だからこそ、採用にかかる費用を単なる「削るべきコスト」としてではなく、会社の未来を育てる「前向きな投資」として考えてみませんか?
「毎年求人を出しているけれど、ここ数年ほとんど応募がない」
「限られた予算の中で、北海道の学生さんに自社の魅力を届ける工夫を知りたい」
「内定を出しても、道外企業や大手に辞退されてしまうのが悩み」
もしひとつでも当てはまることがございましたら、ぜひ一度お話をお聞かせください。貴社の強みやご予算に合わせて、無理のない実践的な新卒採用の進め方を一緒に考えてまいります。
まずは自社の採用力診断を兼ねた「無料相談」から、どうぞお気軽にご相談ください。
(主な引用公的統計:文部科学省・厚生労働省「大学等卒業者等の就職状況調査」、文部科学省「学校基本調査」、中小企業庁「中小企業白書」、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」)
Writer
ヒトキタ編集部 イホリ
Profile
札幌・函館・北見エリアの求人営業を経験後、現在は採用お役立ち記事の制作や自社メディア・イベントの販促、企業向けマーケティングを担当。