
札幌・北海道のバイト探しや就職・転職に特化した求人メディア「アルキタ」「シゴトガイド」「ジョブキタ」「しゅふきた」を利用している求職者229名(Web調査214名・求職者向けセミナー参加者15名)を対象に、「求人広告における写真やキーワードが応募意欲に与える影響」についての意識調査を実施しました。
北海道の求職者を対象に実施した意識調査のデータを見つめ直すと、「良かれ」と思って取り入れたアピールが、必ずしも求職者の応募意欲に直結しているわけではないという、意外な実態が見えてきました。
北海道内の最新の平均時給・月給データを無料公開しています。
目次
- データから見えた実態1:笑顔のピース写真に「引いてしまう」?求職者が本当に見たい写真
1. 写真の重要性と効果
2. 安心感を覚える写真の種類 - データから見えた実態2:「未経験者OK」に抱く期待と疑問。ほぼ半数で拮抗する求職者の心理
なぜ求職者は「疑い」を持つのか? - データから見えた実態3:年代によって「惹かれる言葉」は180度異なる
- データから考える、求人情報を設計するための3つのポイント
ポイント1:写真は「普段の職場」や「設備」をありのまま映す
ポイント2:「未経験OK」の背景にある安心材料を言葉にする
ポイント3:狙いたい年齢層に刺さる情報を最前面に出す - 求人票見直しセルフチェック
1.写真は「人間関係の良さの演出」に偏っていませんか?
2.「未経験OK」の横に、その「理由(教育体制・研修内容)」が書かれていますか?
3.ターゲットの年代が一番求めている言葉が目立つ位置にありますか? - まとめ
- 補足:本調査の概要および属性データ・集計表
データから見えた実態1:笑顔のピース写真に「引いてしまう」?求職者が本当に見たい写真
求人情報の写真は、求職者が仕事内容や会社の雰囲気を理解するための重要な視覚情報です。しかし、どのような写真を載せるかによって、求職者の受け止め方は大きく変わります。
1. 写真の重要性と効果
求人情報の写真が応募のしやすさに影響するかどうかを尋ねたところ、全体の67%が「イメージしやすい」と回答し、写真の重要性が改めて実証される結果となりました。
▼ Q写真が載っている求人広告について、どう感じますか?(全体合算:N=229。複数回答可)

2. 安心感を覚える写真の種類
それでは、具体的にどのような写真があると、求職者は安心感を覚えるのでしょうか。
▼ Q.どんな写真が載っていると「安心」して応募できますか?(全体合算:N=229。複数回答可)

データを見ると、安心感に直結する写真の上位は「募集職種の職場(155件)」、「社内(事務所等)(126件)」、「社屋外観(92件)」であり、すべて「場所・空間」を示す実景が上位を独占しました。
これに対し、「社長(30件)」や「先輩・上司(64件)」といった特定の人物にフォーカスした写真の選択数は、相対的に低い数値にとどまっています。
「作られた演出」に対するリアルな警戒心
自由記述に寄せられた生の声からは、広告用に用意された不自然なビジュアルへのシビアな視線が浮かび上がります。
撮影用に作られていない仕事中の姿がいいです。
従業員がピースしていたり、集まって笑う写真は私にとってはマイナスです。ちょっと引いて見てしまいます。
実際の場所や人物じゃなさそうな写真(フリー素材)が載っているサイトもあるので、写真はよく確認しています。
求職者が求めているのは、演出された笑顔のビジュアルではなく、「自分が実際に働くことになる空間(清潔さや設備、普段の雰囲気など)」がそのまま伝わる、嘘偽りのない情報だと言えます。
データから見えた実態2:「未経験者OK」に抱く期待と疑問。ほぼ半数で拮抗する求職者の心理
多くの求人がアピールとして使っている「未経験者OK」という言葉。データを見ると、この言葉は応募を後押しするポジティブな要素である一方で、求職者がその言葉をそのまま鵜呑みにはせず、期待と同時に疑問や慎重な姿勢も抱いているという、拮抗した心理が見えてきました。
▼Q 求人広告にある「未経験者応募OK」の表記を、どう捉えますか?(全体合算:N=229。複数回答可)

全体では「未経験者も応募していい(101件)」と「『本当?』と疑う(100件)」がほぼ拮抗しています。 特に30代(59%)や50代(53.6%)といった、一定の職歴を持つ年代においては半数以上が「本当?」と疑う側に回っており、求職者の慎重な姿勢が浮き彫りになっています。
なぜ求職者は「疑い」を持つのか?
自由記述からは、過去の経験や、言葉の裏側を推測するシビアな心理が読み取れます。
深刻な人手不足で、研修や指示が不十分な厳しい職場かもしれないと感じます。
きつい仕事ですぐ人がやめて行き、未経験者を取らざるを得ない、という風にも見えてしまいます。
未経験OKとは建前で、実際には未経験者は合格できないと思ってます。経験者がいたら間違いなくそっちが採用されるのかなと。補足説明で『経験者を優先する場合有り』と正直に書いてほしいです。
求職者は「未経験OK」という言葉単体に対して、「指導体制がないのでは」「使い捨てにされるのでは」という不安を抱きがちです。だからこそ、ただ未経験者OK・歓迎と謳うだけでなく、「なぜ未経験でも大丈夫なのか」という根拠や体制の説明がセットで求められています。
データから見えた実態3:年代によって「惹かれる言葉」は180度異なる
求人のキャッチコピーを作成する際、より多くの応募者を獲得しようとするあまり、誰にでも当てはまる無難な言葉を選んでいないでしょうか。
惹かれるキーワードを年代別に集計(※本設問はWeb調査の回答者214名を対象に集計)すると、ターゲット層に合わせる重要性が浮き彫りになります。
▼ 【Web調査】年代別・惹かれるキーワードの選択数(N=214、複数回答可)

-
20代〜40代:「急な休みOK」「残業なし」といった【時間・休み】への関心が最多。
-
50代以上:「40代・50代活躍中」「定着率が良い」といった【年齢・環境】へ関心がシフト。
たとえば50代では、全体の8割以上にあたる「68名中55名」が年齢・環境に関するキーワードを選択しています。 若年・ミドル層を狙うなら「ライフスタイルとの両立」、シニア層を狙うなら「同年代が馴染める環境」など、採用したいターゲットに合わせた情報の出し分けが必須と言えます。
データから考える、求人情報を設計するための3つのポイント
今回の求職者調査結果を踏まえ、自社の求人情報の信頼性を高め、応募に繋げるための実践的なアプローチを3つのポイントにまとめました。
ポイント1:写真は「普段の職場」や「設備」をありのまま映す
求職者が求めているのは、過剰な演出のない「実際の稼働環境」です。 カメラ目線で全員が並ぶ写真ではなく、「スタッフが実際に作業している普段の姿」「オフィスのデスク環境」「共用スペースや休憩室」「社屋外観」など、働く自分が具体的に想像できる「空間」の写真を優先して掲載しましょう。
ポイント2:「未経験者OK」の背景にある安心材料を言葉にする
単に「未経験者OK!」と書くだけでは、かえって体制への不安を生むことがあります。未経験でもスムーズにスタートできる「事実」をテキストで補足することが、不信感を安心に変える近道です。
記載例:「現在在籍するスタッフの8割が未経験(異業種出身)からのスタートです。入社後は〇日間の初期研修を設け、実際の業務では先輩スタッフが必ずマンツーマンでサポートする体制をとっています」
ポイント3:狙いたい年齢層に刺さる情報を最前面に出す
自社が今、どの年代を採用したいのかを明確にし、求人のトップに持ってくるキーワードを絞り込みましょう。
-
子育て世代や若手を採用したい場合: 「残業は月平均〇時間」「お子様の急な発熱によるシフト交代にもチームで柔軟に対応します」など、【時間・休み】の安心感を強調。
-
経験豊富なミドル・シニア層を採用したい場合: 「現在40代・50代のメンバーが〇名活躍中」「長年勤めるスタッフが多く、受け入れ体制も整っています」など、【年齢・環境】の安心感を強調。
求人票見直しセルフチェック
調査データを踏まえ、自社の現在の求人情報を今すぐチェックできる3つの簡易チェックを用意しました。
1.写真は「人間関係の良さの演出」に偏っていませんか?
→ ピース写真や過度な笑顔ばかりではなく、実際に作業する「職場空間」や「設備」の写真も掲載されているか確認しましょう。
2.「未経験者OK・未経験者歓迎」の横に、その「理由(教育体制・研修内容)」が書かれていますか?
→ 「本当に自分でもできるだろうか」という求職者の疑問に先回りし、具体的な指導ステップなど、未経験者でも大丈夫という根拠が書かれているかチェックしましょう。
3.ターゲットの年代が一番求めている言葉が目立つ位置にありますか?
→若手〜ミドル層を狙うのに「時間・休み」の記載が薄かったり、シニア層を狙うのに「同年代の活躍」がアピールされていない、といったミスマッチを防ぎましょう。
まとめ
今回、北海道エリアの求職者を対象に、求人広告におけるビジュアルやアピール文面が応募意欲に与える影響について、多角的な意識調査を実施しました。
この調査結果が示すように、求職者は求人広告の写真やキーワードに対して「実際の様子はどうなのか」を冷静に見極め、事実に基づいた情報をもとに応募を判断しています。
自社の求人原稿を作成・見直す際には、表面的な飾りの言葉を並べるのではなく、求職者が本当に安心できる「具体性のある事実」をきちんと開示できているか、という視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。
厚生労働省委託事業により制作された【募集・採用の基礎知識】ハンドブックを無償でお渡ししています。
北海道内の企業・事業主様で、ご希望の方はお問い合わせいただき、ぜひご活用ください。
補足:本調査の概要および属性データ・集計表
今回の記事のベースとなった調査データの詳細情報です。
- 調査手法:Webアンケート調査、およびセミナー来場者へのアンケート調査
-
調査期間:
-
Web調査:2026/5/8〜5/20
-
セミナー来場者調査:2026/4/1〜5/20
-
-
調査対象:
-
Web調査:北海道に特化した求人メディア「アルキタ」「シゴトガイド」「ジョブキタ」「しゅふきた」を利用する求職者
- セミナー来場者調査:求職者向けセミナーの参加者
-
-
有効回答数:229名(Web調査214名、セミナー来場者調査15名)
【年齢別属性分布(Web調査分:N=214)】
-
20代:7名(3.27%)
-
30代:36名(16.82%)
-
40代:60名(28.04%)
-
50代:68名(31.78%)
-
60代:39名(18.22%)
-
70代以上:4名(1.87%)
【年齢別属性分布(セミナー来場者調査:N=15)】
- 20代:1名(6.67%)
-
30代:8名(53.33%)
-
40代:5名(33.33%)
-
50代:1名(6.67%)
各集計表において、最も多かった回答を赤字、2番目・3番目を太字で表現しています。また、20代および70代以上は回答数が極めて少数のため、これらの年代の数値はあくまで参考値としてご覧ください。
▼ Q写真が載っている求人広告について、どう感じますか?(複数回答可)
|
年代 (回答者数) |
イメージしやすい |
会社の雰囲気を感じる |
文字だけだと応募しにくい |
安心感を感じる |
重要ではない |
楽しそうな写真で応募経験がある |
その他 |
延べ回答数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
20代 |
8 |
3 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
14 |
|
30代 |
28 |
21 |
19 |
13 |
6 |
3 |
0 |
90 |
|
40代 |
50 |
32 |
24 |
16 |
7 |
3 |
3 |
135 |
|
50代 |
40 |
29 |
14 |
12 |
15 |
6 |
4 |
120 |
|
60代 |
24 |
19 |
10 |
14 |
4 |
1 |
1 |
73 |
|
70代〜 |
3 |
2 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
7 |
|
合計 |
153 |
106 |
70 |
56 |
33 |
13 |
8 |
439 |
▼ Q.どんな写真が載っていると「安心」して応募できますか?(複数回答可)
|
年代 (回答者数) |
社屋外観 |
社内(事務所等) |
募集職種の職場 |
自分と同じ年代の方 |
先輩・上司 |
社長 |
募集職種の方 |
その他 |
延べ回答数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
20代 |
2 |
6 |
6 |
4 |
3 |
1 |
3 |
0 |
25 |
|
30代 |
18 |
33 |
30 |
14 |
21 |
4 |
16 |
2 |
138 |
|
40代 |
27 |
35 |
42 |
19 |
22 |
17 |
31 |
2 |
195 |
|
50代 |
29 |
35 |
49 |
28 |
11 |
3 |
23 |
5 |
183 |
|
60代 |
15 |
17 |
25 |
14 |
7 |
5 |
16 |
0 |
99 |
|
70代〜 |
1 |
0 |
3 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
7 |
|
合計 |
92 |
126 |
155 |
80 |
64 |
30 |
90 |
10 |
647 |
▼Q 求人広告にある「未経験者応募OK」の表記を、どう捉えますか?(複数回答可)
|
年代 |
未経験者も応募していい |
歓迎してくれると思う |
応募しやすさを感じる |
「本当?」と疑う |
説明文での補足があると信じる |
未経験者の紹介があると意欲増す |
その他 |
延べ回答数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
20代 |
3 |
1 |
3 |
1 |
2 |
3 |
2 |
15 |
|
30代 |
19 |
6 |
7 |
26 |
10 |
6 |
4 |
78 |
|
40代 |
32 |
12 |
13 |
26 |
16 |
7 |
4 |
110 |
|
50代 |
28 |
4 |
14 |
37 |
14 |
7 |
6 |
110 |
|
60代 |
19 |
2 |
17 |
10 |
5 |
4 |
1 |
58 |
|
70代〜 |
0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
2 |
0 |
6 |
|
合計 |
101 |
25 |
58 |
100 |
47 |
29 |
17 |
377 |
▼ 年代別・惹かれるキーワードの選択数(Web調査のみ:N=214、複数回答可)
※本設問はWeb調査でのみ実施したため、セミナー来場者(15名)の回答は含まれておりません。
|
年代 |
時間・休み |
安心・教育 |
年齢・環境 |
仕事の性質 |
待遇・将来 |
手軽さ |
その他 |
延べ回答数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
20代 |
5 |
2 |
2 |
4 |
2 |
1 |
0 |
16 |
|
30代 |
24 |
7 |
12 |
15 |
14 |
11 |
2 |
85 |
|
40代 |
42 |
10 |
36 |
20 |
18 |
13 |
2 |
141 |
|
50代 |
31 |
10 |
55 |
27 |
12 |
24 |
3 |
162 |
|
60代 |
19 |
3 |
26 |
20 |
4 |
9 |
3 |
84 |
|
70代〜 |
1 |
1 |
2 |
2 |
0 |
1 |
0 |
7 |
|
合計 |
122 |
33 |
133 |
88 |
50 |
59 |
10 |
495
|
Writer
ヒトキタ編集部 小林陽可
Profile
求人営業部での法人営業を経験した後、WEB記事のライティングや自治体への移住施策企画のディレクション等に従事。現在は広報業務・営業支援を行う。