中途採用の給料はどう決める?給与テーブル無しでも納得感のある設定ができる5ステップ

「中途採用の給与、どう決めたらいいんだろう?」

特に給与テーブルや明確な評価基準がない中小企業において、中途採用の給与設定は常に採用担当者の頭を悩ませる大きな課題です。

  • 「給与テーブルがないから、社長の一言で決まってしまう」

  • 「適切な相場がわからず、高すぎないか、安すぎないか不安になる」

  • 「既存社員より高い給与を提示して、社内の不公平感を生みたくない」

優秀な人材を確保したい気持ちと、社内の公平性を保ちたいプレッシャーの間で、板挟みになっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、明確な給与テーブルがなくても、客観的なデータに基づき、社内外の誰もが納得できる給与額を設定するための具体的な5ステップを徹底解説します。この記事を読めば、属人的な判断による給与決定から脱却し、全社員が納得感を持って業務に取り組める公平な給与額を設定できるようになります。

なぜ難しい?中小企業が中途採用の給料決定で抱える3つの悩み

中途採用の給与設定はなぜ難しいのでしょうか。特に中小企業が抱えがちな悩みとして、大きく以下の3つが挙げられます。

1. そもそも社内に明確な給与テーブルがない

中小企業が抱える最も根本的な悩みは、給与額を判断するための拠り所となる「給与テーブル」や「等級制度」が存在しないケースが多いことです。

成長過程にある企業や、職務内容が流動的な企業では、「社長の一声」や「過去に入社した社員の給与額」といった曖昧な基準や慣例で判断せざるを得ません。その結果、給与設定が属人的になり、一貫性や客観性を欠いてしまうという状況に陥りがちです。

2. 既存社員との公平性を保つのが難しい

中途採用者の給与を決定する際、既存社員との公平性は避けて通れない問題です。

市場価値の高い優秀な人材を確保するためには、どうしても既存社員より高い給与を提示する必要が出てくる場合があります。しかし、その給与差に既存社員が納得できなければ、モチベーションの低下を招いたり、社内不和の原因になったりするリスクがあります。

採用担当者は、優秀な人材確保と社内の不公平感をなくすこととの間で、常に「板挟み」になり、大きなプレッシャーを感じています。

3. 求職者や社長に給与額の根拠を説明できない

明確な基準がないと、給与決定プロセス全体に影響が出ます。特に深刻なのは、以下の場面で提示額の論理的な根拠を説明できないという悩みです。

  • 求職者との交渉時:なぜその給与なのかを客観的に説明できないと、交渉で不利になり、内定辞退につながるリスクがあります。

  • 社内(社長)への決裁依頼時:社長に対して「相場感です」「なんとなく」といった主観的な説明しかできないと、決裁が下りなかったり、金額の根拠を問われて何度も差し戻されたりする可能性があります。

給与テーブルがなくても大丈夫!中途採用の給料の決め方5ステップ

給与テーブルがないからといって、納得感のある給与設定をあきらめる必要はありません。

これから紹介する5つのステップを踏むことで、あいまいな判断から脱却し、客観的で社内外の誰もが納得できる給与を決定できるようになります。

ステップ1. 採用ポジションの役割と期待する成果を定義する

給与決定は、そのポジションの「価値」を会社として明確に言語化するところから始まります。これが給与額の根拠作りの土台となります。

給与を決定する大前提として、採用するポジションが「会社にどれだけの貢献をするのかを具体的に言語化しましょう。

  • 主な業務内容:日々のタスク、責任範囲

  • 求めるスキルや経験即戦力として必要な専門知識、年数

  • 入社後の期待成果:3カ月後、半年後に達成してほしい具体的な目標(例:売上〇〇万円達成、新規顧客〇〇件獲得など)

  • 成果が会社に与える貢献度:そのポジションの失敗が会社に与えるリスクや、成功がもたらす利益の大きさ

この定義があいまいだと、後のステップでの市場調査や候補者評価もブレてしまいます。

ステップ2. 給与相場を調べて客観的な基準を持つ

ポジションの価値が定義できたら、次に「世間一般」におけるそのポジションの給与相場を調べます。これは、給与決定における社外の客観的な基準となります。

相場を知ることで、提示額が「高すぎる」「安すぎる」といった採用の失敗を防げます。また、市場相場という客観的なデータは、後述する社内(特に社長)への説明資料として非常に有効です。

具体的な相場の調べ方は後ほど詳しく解説しますが、転職サイトや公的データ(賃金構造基本統計調査など)を必ず活用しましょう。

ステップ3. 候補者のスキル・経験と前職給与を考慮する

市場相場(全体観)を把握した後は、いよいよ候補者個人に焦点を当てて評価します。

  • スキル・経験の評価:ステップ1で定義した「求めるスキル・経験」と、候補者が持つスキル・経験のマッチ度を評価します。特に「即戦力性」や「希少性」が高いスキルは、評価に大きく加算される要素です。

  • 前職給与の考慮:前職給与は、その候補者の過去の市場価値を示す参考情報となります。しかし、あくまで参考情報として扱い、前職の給与額自体をそのまま提示しないように注意しましょう。前職での実績や役割、そして転職理由とセットで考えることが重要です。

 このように「年収だけでは測れない価値」を伝え、入社後のキャリアパスを含めた総合的な魅力を訴求することで、納得感を持って入社につなげられるケースが多くあります。

ステップ4. 既存社員の給与水準と照らし合わせる

ステップ3で算出した候補者の評価額を、社内の既存社員との公平性の観点からチェックします。これは、社内トラブルを未然に防ぐための非常に重要なプロセスです。

特に、同程度の業務内容・責任を担う社員の給与と比較する必要があります。

  • 中途採用者の給与が既存社員を上回る場合は、誰もが納得できる客観的な理由(例:既存社員にはない特殊な専門スキル、極めて高いマネジメント経験など)が必要であることを再確認しましょう。

  • このチェックで問題が生じた場合は、社長や経営層と協議し、提示額を調整するか、既存社員の評価・給与体系を見直す勇気も必要です。

ステップ5. 総合的に判断し、提示する給与額の範囲を決める

ステップ1〜4で集めた情報ポジションの価値、市場相場、候補者の評価、社内バランスを元に、総合的に給与額を判断します。

最終的に提示する額は、一点ではなく「〇〇円〜△△円」のように幅を持たせることが重要です。

給与レンジを設定しておくことで、最終交渉の際に柔軟に対応できるメリットが生まれます。たとえば、候補者が交渉してきた場合でも、設定したレンジ内であれば迅速に対応でき、「この人はどうしても欲しい」という場合にはレンジの上限で、「スキルは及第点だが将来性に期待」という場合にはレンジの下限で、といった交渉戦略を取ることが可能になります。

候補者の希望年収が高すぎる…そんな時の対処法は?

候補者の希望年収が自社の想定レンジより高い場合、まずは希望額の根拠を丁寧にヒアリングしましょう。候補者が自身のスキルや経験をどのように自己評価しているかを確認することが重要です。

額面で折り合いがつかない場合、給与以外の魅力を提示する交渉術が有効です。

  • 昇給の可能性:「入社後〇年で給与テーブルが一段上がる可能性がある」

  • 仕事のやりがい:「大きな裁量権があり、チャレンジできる環境がある」

  • 働きやすさ:「リモートワーク制度や柔軟な勤務時間制度がある」

  • 福利厚生::「充実した手当や独自の休暇制度がある」

社長も納得!給与額の根拠となる相場の調べ方

ステップ2で重要性を解説した「給与相場」の調査は、候補者との交渉だけでなく、社長への決裁においても極めて重要です。ここでは、無料で実践できる具体的な相場の調べ方を3つご紹介します。

1. 転職サイトで競合他社の求人情報を参考にする

最も手軽で実用的なのが、転職サイトの活用です。

自社が採用したい職種、地域、求める経験などで検索し、競合他社が実際に提示している給与レンジを確認しましょう。

給与額だけでなく、業務内容や必須スキルも合わせて確認することで、「このスキルでこの年収か」といった比較の精度が高まります。これは、現場の採用担当者が持つべき最もリアルな市場情報となります。

2. 厚生労働省の公的データ(賃金構造基本統計調査)を活用する

経営層への説明資料として最も信頼性が高いのが、公的データの活用です。

厚生労働省が実施している「賃金構造基本統計調査」は、職種、産業、年齢、地域など、非常に詳細な賃金データを提供しています。このデータは「e-Stat(https://www.e-stat.go.jp/)」などの政府統計ポータルサイトで閲覧可能です。

例えば、「北海道の40歳〜44歳のシステムエンジニアの平均賃金」といった詳細な情報を客観的根拠として提示できれば、社長も提示額に納得しやすくなります。

3. ハローワークの求人情報で地域の賃金水準を確認する

地域密着型の企業の採用に役立つのが、ハローワークの情報です。

「ハローワークインターネットサービス(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/)」には「求人情報基本集計」機能があり、職種や地域を指定して、ハローワーク求人の平均賃金を調べることができます。これは、その地域の中小企業が実際に提示しているリアルな賃金水準を把握する上で非常に有用です。

既存社員の不満を生まないための注意点

せっかく採用が成功しても、社内の不和を生んでしまっては意味がありません。既存社員のモチベーション低下を招かないために、給与決定・提示の際に注意すべき2つのポイントを解説します。

給与の決定プロセスと理由を説明できるように準備する

重要なのは「透明性」です。

既存社員から「なぜ〇〇さんは自分より給料が高いのか?」と質問された場合を想定し、決定プロセスを論理的に説明できるように準備しておくことが、信頼関係を保つ鍵となります。

提示額を決定する際に、市場相場、本人の実績、社内比較の結果など、どのような「ロジック」に基づいて給与が決定したかを明確にしておきましょう。給与額自体ではなく、決定に至った客観的なロジックを説明可能にしておくことで、「特別な事情やスキルがあるからだ」という納得感を与えることができます。

入社後の評価や昇給の仕組みも合わせて伝える

入社時だけでなく、入社後の展望を示すことも重要です。

中途採用者と既存社員の両方に対し、会社の評価制度や昇給の仕組みを明確に伝えましょう。

「入社後は、成果に応じて全員に平等な昇給機会がある」というメッセージを伝えることで、一時的な給与差への不満を和らげることができます。公正な評価制度の存在が、既存社員の「自分も頑張れば報われる」という健全なモチベーションを育む効果を生み出します。

まとめ:根拠のある給与設定で、ミスマッチのない採用を

本記事で解説した給与設定の5ステップは、採用成功のための重要な要素です。客観的なデータに基づき、社内外の誰もが納得できる給与を設定することは、優秀な人材の獲得だけでなく、入社後のミスマッチや早期離職を防ぐことにも直結します。

しかし、適切な給与設定に加え、地域の特性を理解し、その上で自社の魅力を効果的に求職者に伝えることが、採用成功の鍵となります。


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Writer

ヒトキタ編集部 友坂 智奈


Profile

法人営業や編集職を経て、広報を担当。現在は、SNSや自社サイトの運用をはじめ、イベントやメルマガを活用した販促・営業支援企画も手掛けている。