福利厚生は、従業員満足の側面だけではなく、採用においても大切な要素です。
この記事では、過去に「北海道の転職メディア ジョブキタ」に掲載された中から、珍しい・ユニークな福利厚生をピックアップしてご紹介し、福利厚生が求職者に注目される理由を紐解きます。
北海道企業のユニークな制度・福利厚生の実例
北海道企業が実施している珍しい・ユニークな福利厚生とポイントをまとめました。
●完全週休3日制の正社員(福祉業、販売接客業)
ワークライフバランスが重視されるようになり、注目されている制度。
実際に完全週休3日制で働く人からは、「前職が忙しかったから、ゆとりをもって働けるのが良い」「勤務日数が少ない分、より仕事に集中できる」「仕事のための勉強をする時間も出来た」など前向きな意見が多い。
●子どもの成長休暇(システム・ソフトウェア開発業)
子どもの卒入園式・卒入学式(幼稚園から大学まで)や運動会の日に限り、通常の有給休暇とは別に、有給の特別休暇を付与する制度。
育児中の社員が多いことから「子どもの成長を見られる時間を大切にしてほしい」「社員のご家庭での時間も大切にしたい」という思いで生まれた。子どもが複数人いるとそれぞれの行事に参加するため欠勤せざるを得ない…という悩みも解消。多くの社員に喜ばれている。
●会社貢献ポイント制度(自動車中古部品販売業)
社員による自社商品の購入やサービスの利用に対しポイントを付与、獲得したポイントに応じて年1回報奨金を支払う制度。
もともと福利厚生として社員割引があったが、それに加えて、社員に感謝の気持ちを還元するために作ったのだそう。報奨金で家族にケーキを買って帰るなど、社員のプライベートの充実につながっている。
●予防接種無料(建設業、飲食業、歯科、介護業、運輸業など)
インフルエンザの予防接種を企業負担で受けられる制度。無料のほか、費用一部負担を求人広告に明記する企業も多い。コロナ禍から、健康管理に注目が集まっているため、記載する企業が増えている印象アリ。
●万歩計年間最多歩数者表彰(金一封)(ソフトウェア開発業)
全社員に万歩計を配布し歩数計の値を集計、年間上位者に金一封を支給する制度。デスクワークが多い職業柄、社員の健康を気遣いコンペ化した。
上位者以外にも抽選で金一封を支給し、開催6回目の現在は、自由参加ながら7割強の社員がエントリー。さらに、健康優良表彰として、診断結果の申請で金一封を支給。支給額は健康状態に比例するが、要検査の場合にも医療費の補助を行ったことで、表彰を始める前よりも再検査に行く人が増えた。遊び感覚で健康維持を意識付けし、社員の健康を願っている。
●キューティーサポート手当(介護業)
マツエク、ネイル、美容院やファッションなど自己投資の費用に対して支給される手当。
全国には女性活躍推進の取り組みとして女性スタッフに対して活用する企業もあるが、北海道のある企業では、日常の自己投資が社員の元気、ひいては会社の元気につながるという考え方から、男女問わず年2回支給している。
●ラッキー手当(運輸業)
毎月1日に抽選で、1位〜3位までの手当が当たる、その名の通り、ラッキー手当。他にも、ナンバーズのような数字の組み合わせで最低1万円からの手当が支給される制度も設け、従業員への利益還元をしている。仕事(成果)での評価制度と一線を画し、全員に等しくチャンスがある遊び心ある制度を作ったのだそう。
●チャレンジ休暇(飲食業)
プライベートの時間を楽しむ経験が、企業の原動力になるという考え方から、10日間の連続休暇と活動費が支給される制度。
毎年、すべての社員がこの休暇を活用し、海外旅行や国内旅行、自転車旅やフリークライミングなどを楽しんでいるそう。この休暇をどんな風に利用したかを競い合う表彰制度まであるのだとか。
●入院保険(アプリケーション開発業)
保険料を会社全額負担で、病気入院時の入院費用の社員自己負担を0円にする制度。
「若い子も保険に入っておいた方がいい」という社員の健康を願う社長の考えをきっかけに8年以上前から加入している。持病などの事情から個人で加入できない場合も、会社としてなら加入できるなど従業員にとってメリットが大きい。ケガや病気などで休む場合、会社がサポートし保険を利用できるように手配。ケガや病気で入院して保険を利用した人も複数。
●禁煙手当(廃棄物処理業、食品製造業など)
社員の健康を考え、喫煙者を減らすために作られた手当。喫煙者が禁煙外来に通った際の費用の一部を負担するものや、たばこを吸わない社員に一律支給するものなどがある。2020年の健康増進法改正を受け、世間の受動喫煙への注目が高まっており、職場内の全面禁煙に合わせ、健康管理の側面に配慮した取り組みも増えている。
●社会貢献活動休暇(スポーツ施設)
社員が自発的に無報酬で社会に貢献する活動を行う際、その活動に必要な期間について付与される有給休暇。ボランティア休暇とも。例えば、地域のお祭り参加、PTA役員活動や、地域の消防団活動、市町村の民生委員など。
この他にも、道外の事例では、対象を詳細に定めた「ドナー休暇(骨髄提供のための休暇)」なども存在する。
なぜ、制度・福利厚生が採用でも大切なのか?
その理由は、求職者は仕事を探すときに給与や仕事内容だけでなく「どのような社風の会社か」を重視する傾向にあるからです。そのため、制度・福利厚生も会社の雰囲気を知るための重要な手がかりとなります。
たとえば、柔軟な働き方をサポートする制度は、社員を信頼し自主性を重んじる文化を、またユニークな休暇制度は遊び心を大切にする風土を伝えることができます。採用活動や求人広告において、制度・福利厚生は他社との差別化を図る強力な武器となり、企業の価値観や文化を具体的に示すことで企業の個性を際立たせます。
だからこそ、「この会社で働きたい!」と思ってもらうためには、自社の魅力を最大限に引き出す制度・福利厚生を積極的にアピールすることが不可欠とも言えるでしょう。
独自なものやユニークなものに限らず、既にある制度にも導入のきっかけがあるはずです。企業の制度は、「社員に対する思い」を形にしたもの。求人広告でこれらの具体的な制度を丁寧に紹介することで、企業は「私たちは社員をこれだけ大切にしています」というメッセージを明確に伝えることができ、求職者との間に強い信頼関係を築く第一歩となります。
まとめ:魅力的な制度・福利厚生は求人広告で積極的にアピールを!
自社にユニークな制度や特別な福利厚生があっても、「こんなことを求人広告に書いてもいいのかな?」と迷うことがあるかもしれません。自社にとって当たり前のことはなおさら、客観的に捉えにくいこともあるでしょう。
しかし、そこに現れる「らしさ」こそが企業の魅力を最大限に引き出す鍵となります。魅力的な制度・福利厚生を効果的にアピールして、求める人材との出会いを増やし、企業文化に共感してくれる仲間を見つけましょう!

Writer
ヒトキタ編集部 庵彩乃
Profile
札幌・函館・北見エリアの求人営業を経験後、現在は採用お役立ち記事の制作や自社メディア・イベントの販促、企業向けマーケティングを担当。