
いまや北海道を代表するクラフトビールブランドへと成長した「ノースアイランドビール」。その醸造元であるSOCブルーイング株式会社を率いるのが、代表取締役の坂口典正さんです。次々と個性豊かな一杯を生み出す組織づくりの秘訣について、坂口さんにお話を伺いました。
長い試行錯誤を経て、道内を代表するブランドに。
広島県出身の坂口さんは、大学卒業後に上京し、リゾート関連の企業へ就職。ゴルフ場での勤務を通じて、財務や人事、企画など幅広い業務を経験しました。30代前半の頃、同期の友人からの誘いで、ニセコの小さなビール醸造所を見学した坂口さんは、北海道ブランドの魅力や小規模なビール醸造を行うビジネスモデルに魅了され、2002年、家族とともに北海道へと移住。カナダでの修業経験を持つ2人のブルワーと共に、坂口さんを含めた4人で会社を創業しました。
今でこそ有名な「ノースアイランドビール」ですが、安定した美味しさにたどり着くまでには、6〜7年という長い歳月がかかりました。試行錯誤の末に磨き上げられたビールは全国的な品評会で高く評価され、いまでは道産小麦の産地・江別市を拠点に、北海道を代表するブランド「ノースアイランドビール」へと成長。コロナ禍でも一人も解雇することなく、アルバイトを含めて約20人規模の会社となりました。
自由度の高さから生まれる、個性的な一杯。

自らも失敗を繰り返してきた坂口さんが大切にしているのは、現場を信じ任せること。
「よく『社長もビールの試飲をされるんですか?』と聞かれるんですけど、実は私はビールの味にも、ビアバーの料理にも関わっていません。困ったことがあればしっかりフォローしますが、日常の業務は全部、現場に采配してもらっているんです」
また「こんなビールを作ってみたい!」とアイデアを示す社員には気持ちよく背中を押しているとか。その象徴となったのが、2021年にあるスタッフの発案から生まれた限定ビール「酸辣GOSE」です。
「四川料理をイメージした個性派の一杯で、酸味と辛味の効いた珍しい味わいだったために在庫が余ってしまったんです。でも飲んでみると味は悪くないですし、何より在庫になってしまうのは勿体ない。そこで僕自らが首都圏の百貨店で開催された北海道物産展で『餃子に合いますよ』とオススメして、最終的には『クセになる』と催事中にリピーターも現れてくれる商品になりました」
自由な社風の根底にあるのは「クラフトビールが好きで集まって来てくれた人に、のびのびと働いてもらう」という坂口さんの信念です。
「僕らの商売はニッチな世界ですから、ビールが好きな人しか来ない訳です。であれば僕たち経営者の役割は、好きな仕事をのびのびとやってもらうこと。ベテランの醸造家と新しい知識を吸収していく若手が、互いに挑戦や切磋琢磨しながら、両輪で会社を成長させていくスタンスが大切だと思います。思いがけない一杯が生まれるのも、その自由さがあってこそ、ではないでしょうか」
BOSS TALK
本インタビューはUHB(北海道文化放送)のトーク番組「BOSS TALK」とのコラボ企画により収録されました。北海道を愛し、北海道の活性化を目指す“BOSS”が北海道の未来と経営について楽しく、真剣に語り合う“TALK”番組。独立するまでの道のり、経営者としての思い、転機となった出会いや目指す未来などを語ります。UHBにて毎週火曜日深夜0時15分〜放送中!
Writer
ヒトキタ編集部 コバヤシ
Profile
求人営業部での法人営業を経験した後、WEB記事のライティングや自治体への移住施策企画のディレクション等に従事。現在は広報業務・営業支援を行う。