「採用したけどすぐ辞める...」の悪循環を断ち切る。発想転換で、3名採用&高い定着率を実現

株式会社アルル従業員画像
株式会社アルルで働く従業員。

札幌市内で障がい福祉グループホームを運営する株式会社アルル。利用者様が安心して過ごせる生活環境を守るため採用活動を続けていましたが、「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」という早期退職のループに長年頭を抱えていました。

本記事では、北海道アルバイト情報社(以下HAJ)が運営する求人メディア「ジョブキタ プレミアム求人企画」を活用し、見事に3カ月で3名の理想的な人材を採用し定着に成功した事例をお伝えします。

応募はあるのに定着しない…現場を疲弊させていた「早期離職のループ」

「求人を出せば応募は来るし、採用もできる。でも、数週間から数カ月で『思っていた仕事と違う』と辞めてしまうんです」

株式会社アルルが直面していたのは、福祉・介護業界をはじめ多くの企業が直面する「採用できても定着しない」という根深い課題でした。

同社では求人メディア「ジョブキタ」と求人プラットフォーム「Indeed」を併用し、慢性的な欠員を埋めるため継続的に募集を行っていました。月に0〜3名ほどの応募があり、コンスタントに1名程度の採用には至るものの、入社したスタッフが職場に慣れる前に現場を去ってしまう状況が続いていたのです。

特に退職理由として頻発していたのが、業務の一部である「キッチン業務(調理)」への心理的ハードルでした。

求人票に書かれた「簡単な調理」「日常生活のサポート」という言葉と、実際の現場で求められる段取りやスピード感との間にギャップが生じ、「こんなに料理を作らなければいけないとは思わなかった」「手早く作る自信がない」と不安を募らせてしまうケースが後を絶ちませんでした。

新しいスタッフが入社しては辞め、その負担から既存スタッフまで疲弊して退職してしまう...。「欠員補充のための採用活動」から抜け出せず、現場も採用担当者様も限界を迎えつつありました。

1年越しで提案され続けた「数」から「質(定着)」へのパラダイムシフト

そんな抜け出せない悪循環の中で、長年伴走してきたHAJの営業担当から持ちかけられたのが、「これまでの採用のやり方を抜本的に見直しませんか」という提案でした。当時の様子を、株式会社アルルの寺田さんはこう振り返ります。

「毎月のように採用と離職を繰り返していた私たちを見て、営業さんが退職者の声や現場の状況を改めて細かく聞き取ってくれたんです。そこで『問題は応募者の適性ではなく、求職者が抱くイメージと現場のリアルにギャップがあることです。いまの求人原稿のスペースでは、調理への不安を解消しきれていません』と率直に指摘されました」

HAJの営業担当が提示したのが、写真や取材記事をふんだんに使って職場の空気感や業務フローを深く伝える「ジョブキタ プレミアム求人企画」と「長期サポートプラン」を組み合わせた、4カ月間の長期掲載プランでした。

しかし、当時の寺田さんにとって、それは即断できるものではありませんでした。
「正直に言うと、最初はかなり消極的でした。追加のコストや取材の手間をかけてまでやるべきなのか、『そこまで大掛かりにやって、もし応募が来なかったらどうするの?』という不安のほうが大きかったんです」

それでも、HAJの営業担当は、過去に「ジョブキタ プレミアム求人企画」を活用して採用につながった実績データを示しながら、「いまのアルル様に必要なのは、目先の応募数を集めることではなく、入社後の定着を見据えて求職者の熱量と理解度を高めることです」と、約1年にわたって根気強く訴え続けたといいます。

「訪問していただくたびに、本当に何度も熱心に伝えてくれて(笑)。『定着を狙った採用に切り替えましょう』とそこまで本気で言ってくれるなら、一度信じて任せてみようと腹を括ったんです」

「世話人」から「寮母さん」へ。仕事のリアルを伝える3つの仕掛け

株式会社アルル 求人広告で使われた画像

制作チームと営業担当が徹底的な取材を通じて形にしたのが、以下の3つの工夫を取り入れた求人原稿でした。

1.業界用語を脱却し、「寮母さん」へと発想転換

福祉業界では一般的な「世話人」や「生活支援員」という職種名。

しかし、未経験の求職者にとっては業務の具体的なイメージが湧きにくく、どこか専門的で敷居の高い印象を与えてしまいがちです。

そこで、実際の業務実態に合わせて「世話人というよりは、『寮母さん』」という日常的で温かみのある言葉へと言い換えを行いました。

【実際のメインキャッチコピー】

「ご飯を作る、時には注意する。福祉ではあるけれど、寮母さんみたいなシゴトです。」

「ご飯を作る」だけでなく、「時には注意する」という少し踏み込んだ役割まで率直に言語化したことが大きなポイントでした。単に「優しい職場」をアピールするのではなく、利用者様と真摯に向き合う仕事のリアルを伝えることで、求職者に過度な理想を抱かせず、程よい覚悟と安心感を持ってもらう狙いがありました。

2.属性の異なる3名のスタッフ取材で「共感の接点」を創出

特定の層だけでなく、幅広い求職者が「自分にもできそう」「自分に似た人が働いている」と感じられるよう、バックグラウンドが異なる3名の既存スタッフへインタビューを実施しました。

  • 子育て中の主婦スタッフ:家庭や育児と両立しながら無理なく働けるシフト環境を発信
  • 近隣在住の独身女性スタッフ:生活リズムの整いやすさや、職場の穏やかでアットホームな雰囲気を紹介
  • 異業種(コールセンター)出身の男性スタッフ:福祉未経験からでも馴染めた理由や、男性目線でのやりがいを共有

「この人の働き方に共感した」「自分と境遇が似ている」と思えるタッチポイントを複数用意したことで、未経験者が応募へ踏み出す心理的ハードルを大きく引き下げました。

3.最大の退職要因だった「調理の不安」を運用の裏側まで明記して払拭

早期離職の最大の引き金となっていたキッチン業務への不安を解消するため、曖昧な表現を徹底的に排除しました。

  • 家庭料理の延長で作れるメニュー内容であること
  • 調理というよりは「温め」や「盛り付け」が中心であること
  • 1日の詳細なタイムスケジュール

さらに原稿内には、「翌日の早番スタッフが電子レンジで温めれば提供できる状態にしておく」という“作り置き”の具体的な仕組みまで記載。「朝の忙しい時間帯にバタバタと追われるのではないか」という未経験者の不安を先回りして解消し、「この段取りなら私でも焦らずに対応できる」という安心感へと変えたのです。

3名採用・高い定着率を維持。「欠員補充」から「組織強化の余力採用」へ

株式会社アルル 従業員の画像

現場のリアルを開示し、共感と安心を重視した情報発信を行った結果、掲載開始から3カ月で目覚ましい成果が現れました。

募集人数 3名(正社員)
募集方法 「ジョブキタ プレミアム求人企画」「Indeed」「長期サポートプラン」
応募総数 11名
募集期間 3カ月
応募者の層 20代〜50代の男性・女性と幅広く、グループホームの経験がある方など、仕事内容に理解のある方など。
採用結果 利用者様と信頼関係を築き、時には適切な注意もできる頼もしい「50代女性スタッフ2名」
現場の力仕事や男性入居者との関わりで重宝される貴重な「40代男性スタッフ1名」

目標としていた「現場の最低必要人数(3名)」の採用に見事成功。しかも、採用できたのは株式会社アルルが最も求めていた理想の人物像でした。残念ながら3名のうち1名は離職してしまいましたが、残りの2名は活躍中で採用後も高い定着率を維持できていることが大きな成果です。
長年悩まされ続けていた「採用しては辞めていく」負のサイクルをストップさせる兆しが見えてきたのです。

人員充足がもたらした、前向きな採用戦略へのステップアップ

この成功は採用体制そのものにも大きな変化をもたらしました。
「人が辞めたから慌てて求人を出す」という後手の採用から完全に脱却。現場の人員体制に余裕が生まれたことで、当初予定していた連続掲載枠を次の繁忙期へとスライドし、「より強い組織を作るために、余力を持って計画的に人を迎える」という前向きな採用計画がたてられるようになりました。

株式会社アルル
北海道札幌市にある障がい者総合支援の共同生活援助(グループホーム)などを運営する企業です。

まとめ:『ありのまま』を伝えることが、最大の採用力に

『仕事のイメージと現場の実態のズレ』は、人手不足に悩む多くの企業様が陥りがちな課題です。

人手が必要なときほど、間口を広げようとして仕事内容を曖昧に伝えてしまいがちですが、それは結果として入社後のミスマッチを生み、企業にとっても求職者にとっても不幸な結果を招いてしまいます。

今回、『寮母さん』という分かりやすい言葉の選択や、作り置きの段取りといった運用の裏側まで、誠実に情報開示したからこそ、定着率100%という結果につながりました。
株式会社アルル様の事例から見えてくる、定着率を高めるための採用ノウハウをまとめました。

  1. 業界用語を脱却し、求職者の日常言語へ「言い換え」する
    「世話人・生活支援員」を「寮母さん」と言い換えたように、求職者が働く自分の姿を直感的にイメージできる言葉を選ぶことが、応募の心理的ハードルを下げます。
  2. 「大変な部分」「業務の段取り」を先回りして言語化する
    「時には注意する」「作り置きの仕組み」など、求職者が不安に感じやすいポイントをあらかじめ具体的に開示することで、入社後のギャップを最小限に抑えられます。
  3. 多様なスタッフの声を載せ、「共感の入り口」を広げる
    主婦層、独身層、異業種出身者など、複数のペルソナに向けたリアルな声を届けることで、「自分と境遇が似ている人が活躍している」という納得感と安心感を生み出します。

「求人を出しても早期退職が続いてしまう」「自社の本当の魅力が求職者に伝わっていない」とお悩みの企業様は、ぜひ一度HAJへご相談ください。貴社の現場に眠るリアルな魅力と向き合い、長く活躍する人材との出会いをサポートいたします。

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Writer

ヒトキタ編集部 コバヤシ


Profile

求人営業部での法人営業を経験した後、WEB記事のライティングや自治体への移住施策企画のディレクション等に従事。現在は広報業務・営業支援を行う。