1人当たりの採用単価の平均相場はどのくらい?計算方法から削減施策まで徹底解説

1人当たりの採用単価の平均相場はどのくらい?計算方法から削減施策まで徹底解説

「採用コストが年々上がっている気がする」「他社と比べて、うちの採用単価は高いのだろうか?」

昨今の少子高齢化に伴う人材獲得競争の激化により、多くの人事担当者がこのような悩みを抱えています。

採用難易度が上がる中で、どうしてもコストがかさんでしまうのは避けられない側面もありますが、重要なのは「コストを正確に把握し、戦略的に管理すること」です。

本記事では、採用活動における「1人当たりの採用単価」について、平均相場から正しい計算方法、そして効果的な削減施策までを網羅的に解説します。

採用単価とは?内訳と計算方法を解説

採用コストを適正化するためには、まず「何にいくらかかっているのか」という内訳を正しく理解する必要があります。

採用単価(採用コスト)は、大きく「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分類されます。

1. 採用活動にあたって、社外に支払う費用(外部コスト) 

外部コストとは、採用活動を行うために外部の企業やサービスに対して支払う費用のことです。

予算管理の際に最も目に見えやすい部分であり、一般的に「採用費」と呼ぶ場合はここを指すことが多いでしょう。

  • 求人広告費:求人サイトや求人情報誌への掲載料
  • 人材紹介料:エージェント経由で採用決定した際の紹介手数料
  • イベント出展費:合同企業説明会や就職フェアへの参加費用
  • 採用ツール利用料:適性検査システム、採用管理システム(ATS)などの月額・年額費用
  • 制作費:採用パンフレット、入社案内動画、採用サイト制作の外注費
  • 内定者フォロー費:内定者研修の外部委託費など

2. 採用活動にあたって、社内で発生する費用(内部コスト)

内部コストとは、採用活動に関わる自社社員の稼働費や、社内で発生する経費のことです。

見落とされがちですが、実は採用コスト全体の30〜40%を占めるとも言われる重要項目です。ここを可視化しないと、本当の意味での採用効率は測れません。

  • 人件費:採用担当者、面接官(現場社員・役員)、リクルーターの工数・残業代
  • 交通費・会場費:説明会や面接のための社員の移動費、貸会議室の利用料
  • リファラルインセンティブ:社員紹介制度を利用した際の紹介報奨金
  • 交際費:応募者との会食や懇親会にかかる飲食費

採用単価の計算式と算出ステップ

1人当たりの採用単価(Cost Per Hire)は、以下の計算式で算出します。

( 外部コスト + 内部コスト )÷ 採用人数=採用単価

【計算例】ある年度の採用活動で、以下の費用と成果が発生した場合

  • 外部コスト合計:200万円(求人広告150万+イベント50万)
  • 内部コスト合計:70万円(人件費50万+その他経費20万)
  • 採用決定人数:2名

( 200万円 + 70万円 ) ÷ 2名 = 135万円

このように、「1人を採用するために135万円かかった」という事実が明確になります。

まずは直近の実績をもとに、自社の数値を算出してみましょう。

これを定期的に行う習慣をつけることが、コスト管理の第一歩です。

1人当たりの採用単価の平均相場

自社のコストが高いのか安いのかを判断するために、まずは平均相場を知ることが第一歩です。 ここでは、厚生労働省のデータ(※1)を基に、正社員・アルバイトごとの平均単価を解説します。

※1 参照:令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査

正社員の1人当たりの採用単価(手法別) 

正社員を採用する際にかかったコストについて、利用した手法別の平均単価は以下の通りです。

求人情報サイトの利用:平均 28.5万円

一般的に新卒採用や、若手の中途採用で多く利用されます。一度の掲載で複数名を採用できれば、1人当たりのコストは抑えやすくなります。

人材紹介(エージェントサービス)の利用:平均 85.1万円

即戦力を求める中途採用で利用頻度が高まる手法です。年収の30〜35%程度が手数料となるケースが多く、求人サイト利用時の約3倍のコストがかかっています。

ダイレクトリクルーティング(スカウト):平均 91.4万円

ターゲット層に直接アプローチする攻めの手法です。データベース利用料や成功報酬が発生するため、単価は高くなる傾向があります。

自社HP等からの直接応募:平均 2.8万円

最初に採用HPの制作費は別途かかりますが、最もコストがかからない手法です。

【傾向のまとめ】新卒採用では「求人情報サイト」がメインとなることが多いため比較的安価に収まりやすい一方、中途採用では「人材紹介」や「スカウト」を活用するケースが増えるため、採用単価が高くなる傾向にあります。

パート・アルバイトの1人当たりの採用単価(手法別)

パート・アルバイト(正社員以外)の採用においても、利用する手法によって単価に差が出ています。

  • 求人情報サイト:平均 10.8万円
  • 民間職業紹介事業者:平均 19.2万円
  • 縁故(知人紹介など):平均 3.4万円

正社員に比べると単価は低いものの、昨今の人手不足により、求人サイトを利用した場合の平均単価は10万円を超えています。地域や職種によっては、以前よりも採用コストが上昇している点に注意が必要です。

【コラム】北海道など「地方採用」は単価が高くなりやすい?

「相場と比較して自社の採用単価が高い」と焦る前に、地域の特殊性を考慮する必要があります。 特に北海道などの地方エリアでは、首都圏と比較して以下の理由から採用単価が高止まりしやすい傾向があります。

  1. 母集団形成の難易度が高い:ターゲットとなる労働人口自体が少ないため、1人の応募を獲得するために必要な広告露出量が多くなりがちです。
  2. 複数の媒体を併用する必要がある:全国版の大手求人サイトだけでは地元の求職者に届ききらない場合があり、地場の求人誌やローカルサイト、場合によっては折込チラシなどを併用するため、外部コストが分散してかさむ傾向があります。
  3. U・Iターン採用のコスト:道外・県外からの人材獲得(U・Iターン)を狙う場合、広域に広告を出す費用や、面接のための交通費補助、移住支援金など、通常よりも追加のコストが発生します。

地方採用において「相場より高い」ことは、必ずしも「失敗」ではありません。地域特性を踏まえた上で、適切なコスト投下判断を行うことが重要です。

自社の採用単価が適正かを判断する3つの基準

算出した自社の採用単価を見て「相場より高いからダメだ」と短絡的に考えるのは危険です。コストはあくまで投資であり、重要なのは「質とのバランス」です。以下の3つの基準で適正性を判断しましょう。

1. 業界平均・企業規模別の相場と比較する

まずは前述した相場と比較し、±20%以内であれば、概ね適正範囲内と言えます。

  • 著しく高い場合:高額なエージェントに依存しすぎている、あるいは選考プロセスで離脱が多く無駄な広告費を払っている(非効率)可能性があります。
  • 著しく低い場合:コスト削減はできていますが、本来必要な人材にアプローチできていない(質の低下)や、採用担当者が疲弊している(内部コストの無視)リスクがないか確認が必要です。

2. 採用単価が高くなる主な要因を把握し、対策する

コストが相場より高い場合、以下の要因が当てはまっていないか分析します。

  • 求める人材の市場価値が高い:エンジニアや有資格者など、採用難易度が高い人材を狙っている場合は、コスト高は必然であり「必要な投資」と割り切ることも大切です。
  • 採用手法のミスマッチ:地元の若手を採用したいのに、全国版の高額な媒体を使っているなど、ターゲットと手法がズレていると無駄金になります。
  • プロセスの非効率性:応募はあるのに面接設定率が低い、最終面接での辞退が多いなど、歩留まりが悪いと1人当たりの単価は跳ね上がります。

3. コストパフォーマンスを総合的に評価する

金額だけでなく、ROI(投資対効果)の視点を持つことが最も重要です。

  • 定着率:10万円で採用して1ヶ月で辞める人より、100万円かけて採用して5年活躍してくれる人の方が、ROIは高くなります。
  • 採用期間:募集から採用までのスピード。
  • 入社後パフォーマンス:期待通りの成果を出せているか。

【注意点】目先の採用単価を下げることだけを目的にすると、「応募のハードルを下げすぎて質の低い母集団ができる」「ミスマッチによる早期離職が増える」といった本末転倒な結果を招く恐れがあります。

採用単価の適正化にお悩みなら「北海道アルバイト情報社」へ

ここまで解説した通り、人材獲得競争の激化により採用単価は上昇傾向にあり、コスト管理の重要性はますます高まっています。

しかし、現場の担当者様からは 「KPIを正しく見れているか不安」 「コストが高いのは分かっているが、具体的にどこを削ればいいのか分析できない」 といった切実な悩みも多く聞かれます。

北海道アルバイト情報社(HAJ)では、北海道での豊富な採用支援実績を基に、貴社に最適な採用プランのアドバイスが可能です。 単なる「広告費の削減」だけでなく、ターゲットに合わせた媒体選定、歩留まり改善による採用率向上、そして定着率アップまで、本質的な課題解決に伴走いたします。
現状の採用課題について、まずはお気軽にお問い合わせください。

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正社員採用における、採用手法別のコスト比較

コストを最適化するためには、各採用手法の「特徴」と「コスト感」を理解し、自社のターゲットに合わせて賢く使い分けることが不可欠です。 

求人媒体・求人サイト

  • 特徴:Webサイトや情報誌に求人情報を掲載し、広く応募を募る手法。幅広い層へアプローチでき、ポテンシャル採用にも向いています。
  • コスト感:掲載課金型(掲載することに費用がかかる)やクリック課金型が主流。
    採用単価目安:20〜35万円(掲載プランや採用人数、職種・業界による)
    1回の掲載で複数名採用できれば、単価は劇的に下がります。
  • 向いているケース:知名度がある企業、複数名をまとめて採用したい場合、未経験・ポテンシャル層の採用。

人材紹介・エージェント

  • 特徴:企業が求める条件に合致した人材をエージェントが紹介してくれる手法。初期費用がかからず、採用決定までコストが発生しません。また、候補者のスクリーニング(選別)を任せられるため、人事の工数削減にもなります。
  • コスト感:完全成功報酬型。
    採用単価目安:想定年収の30〜35%
    例:年収600万円の人材なら、180万円〜210万円の手数料。
  • 向いているケース:専門職、管理職、ピンポイントで経験者が欲しい場合、社内の採用リソースが不足している企業。

ダイレクトリクルーティング

  • 特徴:スカウトサービスなどのデータベースを利用し、企業から求職者へ直接アプローチする「攻め」の採用手法。
  • コスト感:データベース利用料(定額)+成功報酬など。
    うまく運用して複数名採用できれば、エージェントよりも単価を抑えられます。
  • 向いているケース:求める人材要件が明確な企業、採用ノウハウがあり長期的にコストを下げたい企業。

リファラル採用・自社採用サイト

  • 特徴:社員の紹介や、自社オウンドメディアを通じた採用。マッチング精度が高く、エンゲージメント(帰属意識)の高い人材が採用しやすい手法です。
  • コスト感:最も低コストで、採用単価目安:0〜10万円。
    リファラル:社員へのインセンティブ(数万〜数十万円)のみで、外部コストはほぼゼロ。
    自社サイト:初期制作費はかかるが、運用次第で採用手数料はゼロ。
  • 向いているケース:すべての企業。特にブランディングを重視する企業や、社員満足度の高い企業。

採用コストを削減する具体的な10つの方法

最後に、今日から検討できる具体的なコスト削減方法を挙げます。

  1. 採用手法・求人媒体を見直す
  2. ダイレクトリクルーティングを活用する
  3. 無料で使える採用チャネルをフル活用する
  4. 採用オウンドメディアやSNSで情報発信する
  5. リファラル採用(社員紹介制度)を強化する
  6. 採用プロセスを効率化する
  7. 採用ピッチ資料を作成する
  8. 求める人物像(ペルソナ)を明確にする
  9. 選考基準を統一しミスマッチを防ぐ
  10. 内定者フォローを手厚くし内定辞退を防ぐ

各項目の具体的な進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

まとめ:1人当たりの採用単価の平均相場を把握して、戦略的な採用を。

本記事では、1人当たりの採用単価について解説しました。

  • 正社員の採用単価:手法により変動(求人サイト約29万円、人材紹介約85万円)
  • アルバイトの平均:求人サイト利用で約11万円

採用コストの削減は、単に「安い手法」を選ぶことではありません。内部コストを含めた正しい現状把握(計算)からスタートし、「質の担保」とセットでROI(費用対効果)を高めていくことがゴールです。

まずは「現状のコスト可視化」から始めてみてください。

「自社だけで分析するのは難しい」「より効果的な採用施策をプロと一緒に検討したい」という場合は、ぜひ北海道アルバイト情報社(HAJ)へご相談ください。貴社の課題に合わせた最適なプランをご提案いたします。

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Writer

ヒトキタ編集部 小林陽可


Profile

求人営業部での法人営業を経験した後、WEB記事のライティングや自治体への移住施策企画のディレクション等に従事。現在は広報業務・営業支援を行う。